90年代中頃にリリースされ、ベースのど定番とされるプリアンプ、もしくはDIでもあるSansAmp BASS Driver DI。
ベーシストなら一度は耳にしたことはありますでしょうか?
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Liveではもちろん、レコーディングでも即戦力となるSansAmpが長い年月をかけてリニューアルされ、SansAmp BASS Driver DI Ver.2がリリースされています。
SansAmp BASS Driver DIと聞くと低音域のLOW(ロー)、高音域のHI(ハイ)のパンチが効いた所謂ドンシャリの音がイメージが強いですが、旧型と新型がどのように進化しているのかご紹介します。
SANSAMPの軌跡と特徴
SansAmpの名前の印象が強すぎて、ついメーカー名と思ってしまいそうですが正式なメーカーは「TECH 21」。
TECH 21は、アメリカ・ニューヨークにあるマンハッタンに拠点を置く楽器メーカーです。
1989年に「SansAmp CLASSIC」をリリース。その当時まで不可能とされていた世界初のチューブ・アンプエミュレーション回路設計に成功し、新境地を切り開きました。
そして、この開発の成功によりチューブ・アンプのサウンドをシュミレーションすることができるためライブではもちろんライン・レコーディングでも活躍する名機になりました。
SansAmp BASS Driver DIの登場
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SansAmp CLASSIC後継するかのように、1994年に「SansAmp BASS Driver DI」が登場。
プロ、アマ問わず今では定番とも言えるアイテムとなったプリアンプ/DIで、独自のエミュレーション技術で音の太さやマイク録りの空気感を再現することができ、チューブ・アンプ(真空管アンプ)で鳴らしたかのような迫力のあるサウンドを作ることができます。
プリアンプ/DI機能の他にオーバードライブの機能も搭載されているため、歪み系エフェクターとして使用する事も可能です。
旧型と新型の違い
初期型(Ver1)でもそうでしたが、実はVer.2をリリースされた後にも不定期ではありますが進化しています。
今回は初期型と現行モデルの変更点について違いを紹介しますね。
主な仕様
旧型
- コントロール:レベル、ブレンド、トラブル、ベース、ドライブ、プレゼンス、ファントム & グランド・コネクト・スイッチ、XLR アウトプット・レベル・スイッチ、1/4 フォン・アウトプット・レベル・スイッチ、オン/オフ・スイッチ、PHANTOM & GROUND CONNECT スイッチ、アウトプット LINE / INST 切替スイッチ、XLR LINE / INST 切替スイッチ
- 入出力:インプット、アウトプット、バランスドXLR アウトプット、パラレル・アウトプット
- 電源:9V 電源 or ACアダプター(センターマイナス) or XLR ファンタム
- 外形寸法:120(W)×37(H)×94(D)mm
新型
- コントロール:レベル、ブレンド、トラブル、ミッド、ベース、ドライブ、プレゼンス、MID 500 / 1000Hz 切替スイッチ、BASS 40 / 80Hz 切替スイッチ、ファントム & グランド・コネクト・スイッチ、-20dB XLR アウトプット・パッド・スイッチ、+10dB 1/4フォン・アウトプット・レベル・スイッチ、オン/オフ・スイッチ、ミッド・スイッチ
- 入出力:インプット、アウトプット、バランスドXLR アウトプット、パラレル・アウトプット
- 電源:9V 電源 or ACアダプター(センターマイナス) or XLR ファンタム
- 外形寸法:120(W)×37(H)×50(D)mm
実際の機能と音の違いは?
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実際に音を効いていただく前に旧型と新型の大きな違いは、中音域であるMID(ミッド/ミドル)の調整ができるつまみの追加とMIDとBASSのつまみでコントロールする音の周波数帯域を切り替えられるボタンが付いている点です。
旧型では、音色に影響するパラメトリックイコライザーは主にTREBLEとBASSの2つでMIDの音は自身で調整することができません。
ただ、TREBLEとBASSのつまみを絞ることでMIDの帯域音がブーストされる工夫がされていました。
そして新型は、MID(ミッド)に関する機能が追加、またMIDとLOWの帯域が切り替えられるといった特徴的な改善がされていて、これにより様々な場面に合わせた音作りができたり、音の抜けを改善しやすくなっています。
また、周波数の選択が可能になったことにより、多弦ベースなどのLow BやDrop Dもカバーできるようになっています。
では、旧型と新型の実際の音の違いを聞いてみましょう。
※イヤホンで聞くと違いがよくわかります。
まず最初に「旧型 SansAmp BASS Driver DI」の音源です。
いかがでしょうか?
冒頭にもお伝えしましたが、低音と高音のアタック音が強調されてドンシャリの象徴とも言えるパンチの効いたとてもかっこいい音ですね。
ロックやラウドロック界隈で重宝されているのも納得がいきます。
次に「新型 SansAmp BASS Driver DI v2」の音源です。
いかがでしょうか?
V2もパンチの効いた音はしていますが、旧型に比べると少し落ち着いて滑らかな音色であることがわかります。
こういうエフェクターであれば、どんなジャンルでも対応ができそうですよね。
実はSansAmp BASS Driver DIには、Programmable(プログラマブル)というSansAmpで作った音を3チャンネルにセッテイングができるプログラミング機種もあるのですが、それも含めた聞き比べ動画があるので効いてみてください。
旧型と新型はどちらがいいか?
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音色を聞くと旧型と新型って結構違いますよね。
新型はメローで、旧型はパンチの効いた音が印象的です。
新型でも旧型の音色の再現はできるのか?と疑問に思うかもしれませんが、残念ながらできません。
その反対に旧型は、細かい音作りができないので繊細な音楽に対しては向いてないと言えるでしょう。
ただ、演奏している音楽ジャンルで使い分けができると思います。
旧型だとロック、ラウド、パンクと言ったところでしょうか。
新型はロックやラウドなどはもちろん、ポップス、バラードなど色々なジャンルに対応できると思います。
なのでもし購入の検討をされているなら、ご自身のプレイスタイルやバンドを組んでいるならその音楽のジャンルから旧型か新型を選ぶと良いですね。
まとめ
旧型と新型のSansAmp BASS Driver DIの違いはいかがでしたでしょうか?
MIDの有るのと無いのとでは新型のV2は後継機種とは言え、旧型とは異なる音色なので差別化ができます。
現場に合わせて両方とも所有しても良いかもしれませんね。
現在SansAmp BASS Driver DIは、新型のV2で手に入れることができますが旧型の新品は手に入るのは難しいでしょう。
その代わりに音の聞き比べの動画で出てきたBass Driver DI Programmableという機種は、現行版ですので気になる方はチェックしてみてください。
プロも重宝する名機。
一度は使用してみることをおすすめします。
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